« 続時計の小話・第101話(ETA社代替えムーブメント製造会社) |
« 続時計の小話・第101話(ETA社代替えムーブメント製造会社) |
2009年09月21日

●続時計の小話・第102話(ETA社代替えムーブメント製造会社 その2)

スイス有名時計メーカーのクロノグラフのムーブメントに採用されている、ETA7750に代替出来るムーブメントとして『セリタ社』が既にSW.500を開発している事は、時計業界に携わる人は承知の事実です。

ETA7750という優れた、安定した精度や操作機能を保持する機械に匹敵する代替ムーブを開発したセリタ社の実力は相当なものと思わざるをえません。セリタ社と言えば、読者の人はあまりご存じで無いのかもしれませんが、創業60年近くを経た歴史のある時計エボーシュメーカーです。

ETA・2010年問題に絡んで、恐らく他のいろいろなスイス時計メーカーからETA社代替ムーブメントを生産して欲しい、という要求が『セリタ社』にあり、ムーブメント設計の特許問題も解決されている為に、思い切ってETA社代替ムーブの生産に乗り出したものと思われます。

ほぼ完璧に近い領域までに類似品と言っては語弊があるかもしれませんが、ETA社代替ムーブメントを開発したセリタ社は、アンチETA社グループの各スイス時計メーカーから、温かい眼差しで迎え入れられるに違いありません。

それにしてもここまで完成されたETA社代替ムーブメントを、製作出来るセリタ社には、自ら独自のオリジナルのムーブメントを新規に開発して欲しいと、思わざるをえません。それが出来る実力が備わった時計製造メーカーだと思うからです。

今後、セリタ社のETA社代替ムーブメントの評価が大きく正確に認定されるのは、これから5年から10年を経てからでしょうか。オーバーホールを一、二回過ぎ去った後に真の意味での正しい評価が出てくるものだと思います。

ETA2010年問題に絡んで、スイスの有名ブランド・時計メーカーもマニュファクチュール化に競って乗り出し、カルティエなども自社のムーブメントを次から次へと発表しています。これからもこの傾向はますます強まり、1960年代以前の個性のあるムーブメントが沢山世に輩出されるものと思われ、ますます期待が大きくはらんでいきそうです。時計ユーザーの方々には選択肢が増えて良い傾向かも知れません。