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2009年01月24日

●続時計の小話・第96話(ミューレ グラスヒュッテ)

昨秋以来ドイツの名門時計メーカー・ミューレ グラスヒュッテの日本小売価格の見直しが起こり、内外価格差の是正が図られ、ドイツ本国で購入する価格に近い値段になりました。

ドイツに駐在しておられる、日本商社マンの方からミューレ グラスヒュッテのドイツと日本との大きな小売価格差をメールにて時折指摘されていましたので、これでようやく、日本でもミューレ グラスヒュッテがお買い求めしやすくなったのではないか、と思います。

小売時計店への仕入れ原価率も上がり、日本の小売価格設定も圧縮して抑えている為に、今後地味ではありますが、ミューレ グラスヒュッテの人気がじょじょに出ていくものと思います。

2008年末に発売されたミューレ グラスヒュッテの新モデルに、緩急針調整に独自のウッドペッカーレギュレーターが搭載される様になりました。これは、アンティーク高級時計に採用されてきた、スワンネック型緩急針に匹敵するもので、より高度な精度調整が容易くなる、という仕組みです。

チュードルやロンジン、ノモス社に採用されているトリオビス・ファイン・アジャストメントと同様の高精度調整が出来るのがウッドペッカーレギュレーターです。ミーンタイムスクリュー、マイクロステラ、スワンネック、トリオビスと共に、ウッドペッカーレギュレーターは今後時計業界に認知されていく高級な緩急針調整方式と思います。

ミューレ グラスヒュッテ社は、1869年にドイツ・グラスヒュッテで創業を開始し、1994年に復活を遂げたドイツの名門時計メーカーです。船舶及び自動車に搭載する、高級クロックや、精密測定機器等の、精密小型機械を作り続けてきたドイツの時計メーカーで、近年では、メルセデスベンツ社からコラボの申し入れを受け、ミューレ グラスヒュッテ・ベンツ・コラボモデル等も発売して世界中のベンツファンから熱い眼差しを受けました。

ミューレ グラスヒュッテ社の腕時計の機械はETA社製をベースにしていますが、ミューレ社が更にチューイングアップしていますのでユーザーの方々に満足度の高い腕時計に仕上がっています。

ミューレ グラスヒュッテ社は、ノモス社の様に近い未来にはマニュファクチュール(完全自社生産体制)を目指すものと思われ、ドイツの4箇所の州立時計学校(グラスヒュッテ、ハンブルグ、フォートバンゲン、フォルツハイム等)から、卒業生を今後多く受け入れて飛躍していくものと思われ、将来が楽しみな時計メーカーになっていくと期待されます。