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2008年12月01日

●続時計の小話・第92話(セイコー・イズル(iZUL)について)

セイコー社が、スプリングドライブ方式の手巻き腕時計(Cal,7R68)を世界で初めて開発して発売したのは1999年でした。それ以降はセイコーのトップの位置に君臨しているクレドール・ブランドに中心に搭載されて発売されるようになりました。

今ではセイコーの旗艦ブランドであるグランドセイコーにもスプリングドライブ方式の腕時計が発売されて、その名が序々に世間に知れ渡る様になりました。

スプリングドライブ方式のスポーツヴァージョン・ブランドとして『ガランテ』、セイコー高級ドレスウォッチとして、セイコーファンに熱烈な支持を得ている『クレドール』にも多くスプリングドライブ方式が採用され、最近では『イズル(iZUL)』というスプリングドライブ方式のクロノグラフ(Cal,5R85日差+-1秒、垂直クラッチ方式、ピラーホイール方式採用)も発売されています。

『イズル』はガランテよりもさらにアウトドア・スポーツのプロフェッショナル向けに開発された、地味なデザインながらも目盛り等が判読しやすい様に工夫された先進的なクロノグラフに仕上がっています。

『イズル』REF.SDAA003は、船舶用マリンクロノメーターを彷彿とさせる様なデザインに仕上がっており、今後消え去る事無く生き続けるセイコーブランドの一つになっていくと思われます。この時計をある百貨店の時計売場で初めて見たときは小生は大いなる感動を覚えました。(1964年に発売されたセイコーストップウォッチ8922系に非常によく似た文字板に仕上がっています。視認性の優秀なストップウォッチとして名を轟かさせました)

B社、Z社のクロノグラフよりも高い携帯精度を求めるメカ式クロノグラフ・ファン(水晶発振子で制御・調速する方法ですが動力源はゼンマイで、ある意味ではメカ式と言えないこともない仕組みです)の方にお薦め出来る腕時計です。

残念な事に『イズル』はどこの時計店でも求める事が出来ず、有名百貨店の時計売場しか入手出来ないのが悔やまれます。