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2008年09月26日

●続時計の小話・第90話(ダボサについて)

先月、オリス、エポス等の日本正規代理店(株)ユーロパッションの営業マンH君が来店し、新規に取扱いを始めた『DAVOSA(ダボサ)』というスイス腕時計の見本を持って来ました。

弊店取扱いブランドも数多くなってきましたので、在庫を抱える負担も大きく、当初は参考程度に見るだけに留めて置きました。しかし、印象が大きく、何時になってもなかなか頭から離れなかったので先月末よりDAVOSAを一部取扱いを開始しました。

このDAVOSAというブランドは、小生40年近くこの業界に身を置いているにも関わらず、全く存在すら知りませんでした。営業マンから、聞いたところによりますと、100年以上の歴史がある時計メーカーでスイスではそこそこ知れ渡っている、時計ブランドだと、聞きました。

一番に驚かされたのは、価格設定が極めて低く押さえている事です。ハミルトンや、エポスに優るとも劣らない低価格設定になっています。それにも関わらずデザインも良く、造りも綺麗で質感もあり、なかなかの出来映えに仕上がっています。

今まで購入して頂いたお客様からも賛辞を頂いています。レギュレーターモデルやパワーリザーブ機能を搭載したモデルや、GMT機能を搭載したモデル等々が10万円前後の価格に設定されています。ETA社製の信頼がおけるムーブメントを基調にして、この様に極めて良心的な低い価格設定にしているDAVOSA社の会社方針に頭が下がる思いがします。

それにしても、同じムーブメントを搭載した他のスイス有名高級腕時計メーカーが30万~50万円以上の価格設定をして販売している事に驚かざるをえません。この価格差は大きく何に起因するものなのでしょうか。

以前にある有名な滋養強壮の飲み物が経済誌に価格の80%が宣伝費と、書かれていて驚愕した記憶があります。恐らく日本で高価格で販売しているスイス腕時計の価格は、宣伝費が占める割合が非常に高いのではないか?と推測せざるをえません。

DAVOSAの中で一番人気の時計は、SIMPLEX AUTOMATIC 161.431.50でIWCマーク15を彷彿とさせる顔貌を持った時計にも関わらず、弊店販売価格はアンダー7万円を切る値段で今後品薄状態が続くものと思われます。