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2007年01月21日

●第264話(時間との戦い)

四年に一度のスポーツの祭典、アテネオリンピックが無事終了しました。日本代表選手の見事な大活躍により、まだ興奮醒めない時間が続いています。読者の皆さんも開催中は、テレビにかじりついて寝不足であった事と思います。オリンピックのオフィシャル・タイマーはオメガ社が長い間独占的な地位を占めていました。

が、今回はスイスのスウォッチグループが担当致しました。過去においては、ロンジン社、ティソット社、セイコー社等がオフィシャル・タイマーとして、採用される事によって、世界的な信用を勝ち得たものです。ロレックス社は、全英オープンに代表されるゴルフの四大メジャー大会に時折オフィシャル・タイマーとして、登場しております。

今年のアテネオリンピックでは、日本男子体操陣、競泳種目の北島康介選手、女子マラソンの野口みずき選手、陸上投擲の室伏広治選手、柔道の100Kg超級の鈴木桂治選手の金メダルが小生にとっては感動的に深く脳裏に刻まれています。(勿論、他のメダリストの皆さんの活躍も強く記憶に残っています。)

オリンピックで金メダルを獲得するという大偉業をなし得るためには彼ら選手は、人々の想像を絶する練習と研鑽を積み重ねてこられ、強い不屈の意志を持って、試合に臨まれたからこそ映えある名誉を獲得したものと思います。小生も若い時、スポーツをしてきて県大会で一位になる事ですら、 大変難しい事なのが、よく解っています。

オリンピックで惜しくも敗れた選手諸君は、ましてや日本の1,2位を争ったトップ選手であり、そこまで上り詰める事ですら大変な事と、言わざるを得ません。勝負は時の運とも申しますが、オリンピックで惜しくもメダルを取り逃がした選手の皆さんにも、目一杯の拍手喝采を差し上げたいと思います。(マスコミもそういった選手の人達にももっと脚光を浴びせても良いのではないかと思っています。)

その中で、柔道の100Kg級の井上康生選手が準々決勝で敗れた事は、想像だにしなかった事です。日本選手代表としての、責任と重圧とにより相当な精神的プレッシャーがかかっていた事は容易に察しられ敗れはしましたが、彼の善戦・敢闘に対しても、拍手をしたいと思います。井上康生選手は、敗れた後も、アテネに残り、日本選手代表として、他の競技の選手達を一生懸命応援されている姿を見て、安堵すると共に、感動を致しました。

オリンピック代表選手の皆さんは国の威信(ナショナリズム)を背負い、大事な青春時代の時間をスポーツ競技に没頭してたゆまず、努力をしてこられた人達であります。せめてメダリストには、国がスポーツ選手として現役引退後なんらかの生活保障をするという、日本独自のスポーツ憲章を早急に作って頂きたいと願望します。

今年の陸上100Mの優勝記録は、アメリカのジャスティン・ガトリン選手の 9.85秒でしたが、東京オリンピックでは手動のアナログ・ストップウォッチであった為に、正確な計測が出来なかった事は致し方なかった事でした。実際の優勝したボブ・ヘイズ選手の記録10秒フラットは、若干それよりも遅かったものと思われます。

オリンピックを毎回見るたびに、思うことは、人間にとって『時間』という『時』は、 二度と取り返す事の出来ない貴重な瞬間の蓄積の連続だと思います。 人間は時と戦いながら絶えず生きていなければならない生物のような気がします。