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2007年01月21日

●第108話(ETA社クロノグラフ・ムーブ7750について)

ETA社製クロノグラフ・ムーブ7750は、スイス製腕時計のクロノグラフのおそらく90%以上に使われているとても有名な機械です。オメガスピードマスター(Cal、1155)、ブライトリング、タグホイヤー、オリス、モーリスラクロア、クロノスイス、エドックス、ゾディアック等のクロノに採用されていて、他にも枚挙に暇がないほど沢山あります。

この機械の基になったムーブメントは、バルジュー7733(ブライトリングに採用)、7734で、ETA社に吸収されて生まれてきたものです。カム式と言えどもこの7750はとても分解・組立・調整しやすくて、それでいて価格は安いのでいろんな時計メーカーに採用された原因でしょうか。リーズナブルな価格でムーブメント一式が購入できますので、この機械にケース・文字板・バンド・針を付けて、日本で20万円~30万円で売られているのですから、やり方によっては非常にうま味のある産業と言えると思います。

Cal・7750(自動巻カレンダー厚さ7,90mm25石・時・分・クロノグラフ秒針・30分12時間の積算計・カレンダー早送り装置付き)から7751(7750にポインターデイト・ムーンフェイズ・スモールセコンド・12時の位置に曜日・月の表示24時計)、7757、7758、7760(手巻デイデイト)、7765(手巻きカレンダー)、7768と5種類のムーブが派生的に誕生致しました。基本的には殆ど同じです。ベースの7750をマスターすれば、あとのCalは簡単な?時計修理と言えると思います。

ROLEXデイトナ・ZENITHエルプリメロと比較して大量生産しやすくお買い求め安い価格ですので、こんなにまで普及したものと思います。クロノの入門品としてクロノファンにお勧めのムーブです。