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2008年06月02日

●続時計の小話・第85話(フォルティスの新作)

フォルティスの2008年スイス・バーゼルフェアの新作
FORTIS ART ver.IQ WATCH アートモデル・IQ ウォッチ限定:596.18.61IQ
が先日弊店に入荷してきました。

この時計は、正規輸入元(株)ホッタのS氏より4月15日に弊店来店の時に、パンフレットで紹介を受けました。その時の印象は、かってない独創的なデザインの文字板で、仕入れ発注するのに小生は多少躊躇していましたが、二人の子供に聞きました所、若い人の感覚で言うと、非常に面白い腕時計に仕上がっている、と言いましたので、仕入れする事に決めました。

先日、この時計が送られてきて、手に取って見てみますと、なかなかこの様な発想は出来ない珍しい時計でした。すぐに買い手がつくのではないか?と思いましたが、ホームページに紹介しました所、案の定その日のうちに2本の注文を受けました。日本限定100本という事なので、興味を持った人がいち早く発注されたものと、思います。

一昨年末に発売された『FORTIS フリーガー プロッフェショナル BLACK OUT(ブラックアウト)595.18.41MBO』もわずか、一ヶ月で完売終了しましたのでその時の、人気の再来が起こるような予感があります。

FORTIS ART ver.IQ WATCH アートモデル・IQ ウォッチはダダイズムの精神を受け継ぐ、ロルフ・ザックス(Rolf Sachs :スイス・ローザンヌで生を受けロンドン大学LSE校で数学を学び、アメリカ・メンロー経営大学で経営管理の理学士号を取得しました。インテリアやオブジェ等の制作で世界的に著名なデザイナーです。)が文字板を黒板に見立てデザインした、チョークで描いた様なラフなインデックスがユニークなIQモデルです。

チョークを消した後も少し残っていてなかなか面白い仕上げになっています。世界限定999本モデルで国内の入荷本数は100本となり、ケースはブラックPVD仕様、黒板に見立てた文字板は勿論ダークグリーン、インデックスは白、時分針にはスーパルミノバ夜光が塗布、ケースバックにはシリアルが刻印されています。

基礎的計算等で時を示す、遊び心あるデザインですが、ダークグリーンにホワイトのコントラストや、誰もが懐かしさを覚える"黒板"をモチーフにしているせいなのか、落ち着きさも感じる不思議な印象を与えます。

IQ(Intelligence Quotient)と言えば知能指数の事ですが、小生には、非常に強烈な思い出があります。
長浜市に住んでいた頃、近所の靴屋の息子でX君がいました。彼とは小中高と、同じ学校で学びました。彼と小学校の時、日本三大山車祭りのひとつの長浜曳山まつりに二回程一緒に同じ舞台に立ちました。

その頃は、今と違って曳き山で90分程歌舞伎を演じましたので、子供役者は膨大な台詞を覚えなければなりませんでした。特に、X君は女形を演じていましたので、覚える量も男役(立役)と違って倍程の量がありました。X君は、振り付け師から台本を貰っても、三日ぐらいですぐに覚えてしまいました。他の役を振り当てられた子供(小生を含めて)は、台詞を記憶するのに一週間はかかりました。

一週間も台詞の稽古をしていますと、X君は他の役の子供の台詞も全て覚える程の才能を持っていました。子供心に彼の頭の中はどうなってるのか?と不思議でたまりませんでした。

中学校に入ると二年の時、同級生になり、彼はサボテン集めに熱中していて、彼の家に遊びに行くうちに私も感化され、サボテン集めに熱中しだしました。忘れもしない事ですが、中学二年の時の数学の授業の時、誰もが解けない様な難しい問題をS先生が黒板に出しますと、先ず秀才のS君に解いてみろ、と言われました。

S君がどうしても解けなかった時は、最後にはX君をS先生は指名されました。X君は、難しい数学の問題を事も無げに簡単にスラスラと黒板に正解の答えを書いて皆を驚かさせるのが常でした。その様な事が何回もあった後、数学のS先生はX君に、授業中はこの本を読んでいろと、ある本を与えました。

休憩時間にS君と小生がその本を見てみると、なんと大学の数学の本でした。小生にはチンプンカンプンの内容でした。私達とは頭の中の構造が全く違うのである、その時思い知りました。

X君とS君と、小生は、中学三年の時に、クラス替えがあり別々のクラスに分かれましたがその時、各クラスに移動する時に資料を担任の先生から渡されました。その時、3人で先生には内緒で資料を見せ合いっこしました。今でも忘れもしない事ですが、X君の知能指数は160、S君の知能指数は140と書かれていました。

小学時代から、X君の頭脳明晰ぶりに驚かされていた私は、図書館に行って知能指数の事を調べてみました。知能指数140は秀才と書かれていましたし、知能指数160は天才と書かれていました。(その本には、人類最高知能指数を持った人間はあくまで推測で、ゲーテIQ200、シェークスピアIQ180と書かれていました。)

知能指数は160は100万人分の1の極めて少ない誕生率と、書かれていましたので、当然の事の様に納得した訳です。

X君もS君も小生と同じ湖北のT高校に行きましたが、小生は3年間タッチフットボールに熱中し、近畿大会ではいつも上位で全国大会では、ベスト8になるほどの強豪でしたので、勉強の方が当然疎かになり、学業成績は下降線を辿る一方でした。

S君は、真面目な人でしたので大阪府のO大学に現役で合格しました。X君は私と一緒で、高校三年間アーチェリー部に所属して一生懸命夜遅くまでクラブ活動に頑張っていましたので、勉強はする時間はほとんど無かったのに、学業成績はいつも学年で10番前後にいました。

小生の母校の湖北のT高校はトップ5までは東大・京大に現役合格できるレベルなのですがX君は10番前後でしたので、友達は皆合格するのを訝しがっていましたが、小生は小学・中学時代の事がありましたので、X君は京大現役合格すると確信していました。

当然の如く、彼は難関の京都大学・法学部に現役合格しました。その後、X君は一流銀行に入社して、活躍されたと、聞いています。

ロルフ・ザックスもおそらく人並み外れた高知能指数の持ち主と思います。